1020

夢で、死んだ父に会った。すっかり忘れているはずの彼の声のぬくもりも、抱きしめたときのやわらかさも、ほおずりしたときの髭のチクチクさえも、そこでは確かに感じ取れて、まるで夢じゃないようだった。父さんのこと、どうして忘れてしまうんだろう、この夢が覚めた時にはきっとまたわたしは、なにもかも忘れてしまう、と父さんに言うと、目が覚めてしまった。生まれて初めて泣きながら目が覚めた。

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1007

そうだ、先々週、母とちょっとした旅行をした。母は、神戸に住んでいる大叔父の見舞いに来るということだったので、わたしは後から合流し、猪名川あたりをぶらぶらした。

そのとき伊丹市立美術館にて開催されていたレオ・レオー二展へも訪れた。レオ・レオー二と言えば、わたしが小学生のころ国語の教科書に載っていた『スイミー』のようなかわいらしく色鮮やかな印象が強いけど、他にも「平行植物シリーズ」という無機質で暗ぁい作品も手掛けていたらしい。(同シリーズより『向月葵(ジーラ・ルーナ)』という作品がここに掲載されているので、ぜひ。)

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1002

今日はずいぶんと早く仕事が終わったので、大学へ遊びに行った。半年と数か月ぶりに卒業ゼミの恩師に会い、遅ればせながら先月無事に卒業できたことの報告と、ことばについての話をする。

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0903

「おめでとうございます。秋卒が確定したのでご連絡しました。おめでとうございます。つきましては今度の卒業式の出席の可否について、またご連絡ください。それでは、おめでとうございました。」

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