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ゴールデンウィークの予定が決まった。2泊3日で富士山を見に行く。母と。

最後に地元へ帰省した3月のあたまに母から「富士山を見に行きたいからついてきて」と言われゴールデンウィークにそれを決行すると約束した。

約束を覚えておくのって苦手だ。物覚えの悪さ云々ではなく向こうから忘れられるのが怖いから。いついつどこどこで遊ぼうってこの間約束したよねと聞いて「覚えていない」とぴしりと返答されるのっていやだ。他の人はみんな忘れていることをわたしだけが覚えているって、わたしばっかり過去に固執してみんなから取り残されているような惨めな気持ちになるから。(わたしは他人のことばかりきにする。)

4月の終わりが近づいているのに母からの富士山旅行に関する連絡は無かった。母は約束を忘れたのだと思った。そういう時わたしは自分も約束したことを忘れようと努める。誰も彼もに忘れられて取りつく島もなくなった約束ぼっちだけが人知れずどっか遠くに飛んでいけと思う。富士山旅行の日程の連絡が母から届いたのはまさに約束を手放そうとしていたそのときだった。「約束したことおぼえてる?」と添えられた、母にとっては何気ないメッセージにちょっとだけうるるとなる。母は忘れてなどいなかった。